■2009年06月

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■インタヴューPart.5をアップしました!

 INTERVIEW to LEO MINAX
 インタヴュー第5回目は、前回の続編、
 「僕の音楽について(その2)」。
 今回の来日ソロ・ライヴのヒントがあるかも....???
 (次回はいよいよ最終回です)

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■Part.5-僕の音楽について(その2)


INTERVIEW - Part.5

僕の音楽について(その2)


前作の“AULANALUA”に引き続き、最新作“DA BOCA PRA FORA”でもバンドと一緒に音を作っていますが、どんな動機があったんですか。

Live "DA BOCA PRA FORA" (Madrid, 2009/5/26)
(左より)
Huma (g)、 Leo (g,vo)、 Borja Barrueta (drums)、 Martín Leiton (bass)
photo by Ale Megale
バンドなしで録音した唯一のアルバムは“STEREO13”で、他の4枚は各々異なったバンドでライヴ・レコーディングしたよ。“STEREO13”は録音のやり方を変えてみようと決めてやったからライヴ・レコーディングはしなかったんだ。後になって、“STEREO13”の歌を演奏するためにバンドを組んで、引き続いて“AULANALUA”の録音をすることになって、リハーサルやライヴでバンドの音を追求することに繋がっていったんだよ。“AULANALUA”はあの当時に僕らが演奏し捜し求めていたものが自然に表れた結果なんだ。“DA BOCA PRA FORA”は同じ核を持ったバンドでサウンドを追求したひとつの足跡。今回はよりざらざらした手触りの、原初的な音になったよ。この2つの作品は同じバンドでも僕には異なったサウンドなんだ。僕はこのバンドでサウンドを追求すること、そして、以前には得ることができなかった今の成果を気に入ってるよ。

その反面、ソロ(ヴォーカル&ギター)でもよく演奏していますよね。ソロでの演奏をどのように考えていますか。

僕は歌をとっても重要に考えている。歌を作る時は、大抵は曲からできるんだけど、頭の中でベース、ドラム、コーラス、エレクトリック・ギターに置き換えて考えているんだよ。バンドと一緒に演奏する場合、たとえアレンジは後から各メンバーの貢献によって出来上がるにしても、それはまた僕がいつも期待していることだけど、そもそも歌というのはそれ自体で自律した構造を持っているんだ。楽曲の基本的な要素は、ソロであっても、バンドであっても、ほとんど同じなんだ。
Live solo(Belo Horizonte, 2007)
photo by Pedro Morais
僕はソロというシンプルな形態で演奏する時でも曲の豊かさが表れるように努力しているよ。僕のアルバムの曲を何回も聴いている人が、同じ歌を僕がヴォーカルとギターだけで演奏するのを聴いて驚いても構わない。大概は楽曲に負うところではあるけど、でも、音楽のより大切な細部をわかってくれる人なら、ソロでの演奏でも同じ細部を捉えてくれるに違いないって僕は確信しているんだ。

バンドで演奏するのはもちろん刺激的で楽しいよ!その上に僕は自由に表現するのが好きだからね。ポップ・ミュージックの世界でありがちなことだけど、僕にとっては、同じやり方で表現された歌を再演するなんてすごく難しいこと。その意味で、意外な驚きを産み出し、歌を再創造できるバンドでの演奏はとても刺激的なんだ。独りで演奏する時はそういった遊びができにくくなってしまうけど、独りでの演奏も楽しんでるよ!音楽というのは常に生きてるものだからね!

アルバム“AULANALUA”にはレコーディング風景を撮影したDVDがついてましたし、“DA BOCA PRA FORA”でもまた、メイキング映像やヴィデオ・クリップを作り始めていますよね。ヴィジュアル物を作ることにとても興味を持っているように見えますが。

(左より) Borja, Leo, Huma
- Da Boca Pra Foraレコーディングにて(2007)
frame Making of Marinho Antunes
ヴィデオについては2つの点があるんだ。1つにはアルバム・レコーディング時のドキュメンタリーとして記録しておきたいという点。僕らがどんなふうに、どこで録音しているか、ミュージシャンたちの表情、制作に関わっている人たちがどんなふうで、何を考えているのか、等々、人々に少しでも見てもらえるのはとっても大事なことだと思うんだ。
もう1つの点はヴィデオ・クリップとしてということ。僕はこの表現手段をとても重要に思い始めているんだ。なぜなら僕の歌で歌詞がだんだんと重要になってきたからね。歌詞はヴィデオ・クリップの力を借りてさらに良くなるものだよ!新譜“DA BOCA PRA FORA”では、好奇心から初めてヴィデオ・クリップを作ったんだ。このアルバムの題名は、僕の「表現したい」という欲求を言葉に起こして名づけたものなんだ。僕は、僕の幅広い表現を可能にするどんな形式も拒まないということだよ!未公開クリップがあるので、日本へ行く前にお披露目するつもりだよ。

あなたの初期の3枚のアルバム(*)が入手困難なようなのですが、再発する計画はありますか。
(*)BONITO DE ESCUTAR、SOL NO BREU、STEREO13

もちろん!たくさんの愛情を込めて、すべてのアルバムを僕のレーベル、AULANALUA RECORDSから出したいよ。iTunes Music Storeにもすべてのアルバムを置きたくて、既に交渉を始めているところだよ。

Part.4(前)へ                        Part.6(Final)(次)へ

■インタヴューPart.4をアップしました!

 INTERVIEW to LEO MINAX
 インタヴュー第4回目は、「僕の音楽について(その1)」。
 「現在」のレオにつながる、自身の音楽作りについて
 聞きました。続編(その2)もどうぞお楽しみに!

■Part.4-僕の音楽について(その1)


INTERVIEW - Part.4

僕の音楽について(その1)


あなたの作品にはミナス的な音楽性が表れていると思うのですが、自身ではどう捉えていますか。

もちろんその通りだよ!スペインに着いたとき僕はマドリードで唯一のミナス・ジェライス出身のシンガーだった。仲間は僕をレオ・ヂ・ミナスと呼んでいたんだ。それで僕の名前はレオ・ミナスになり、後になってレオ・ミナックスになったんだよ。アーティスト・ネームのために良いと思ってちょっと変えたんだ。僕が表現する音楽に僕の出身を物語る面があることを人々が見抜いていると知って嬉しいよ。素性が表れるのを拒むことはできないからね!

あなたの音楽は、楽器だけでなく、ヴォーカル(コーラス)によって産み出されるハーモニーがすごく美しくて、ヴォーカル・アレンジにとても気を配っているのを感じるのですが。

それはまた僕がミネイロ(ミナス人)だからだよ!僕はコーラスが好きで、以前から歌をヴォーカルで満たす傾向があるんだ。少年時代、ブラジルのグループ、ボカ・リヴリを聴いていたよ。彼らのヴォーカル・アレンジが大好きだったんだ。後になって、ビートルズやビーチ・ボーイズのアレンジを注意深く聴くようになった。僕にはコーラスなしに歌を考えることはできないね!コーラスに参加して、いつも歌っては感動していたものだよ。小学校に入って以来、セミ・プロフェッショナルなコーラスの経験もいくつかあるし、アメリカ人歌手たちが歌うのを聴くためにプロテスタント派教会の礼拝に行くことまでしたよ。友人が僕に改宗してほしくて招待してくれたんだけど、実際は歌を聴くためだけに行ったんだけどね(笑)。演奏はとても感動的だったよ。でも、僕は自分の歌をヴォーカルで満たし過ぎないよう大きな努力をしなきゃいけない。過剰にコーラスを置くと歌の内容が弱まることがあるからね。このことは歌詞が僕の歌で重要になるにつれて学んでいることなんだ。新譜の“DA BOCA PRA FORA”でもそのことにかなり気を配ったつもりだよ。

3枚目のアルバム“STEREO13”以降ずっとスーソ・サイスがアルバムをプロデュースしていますね。彼のどのような面に信頼を寄せているのでしょうか。

Suso Saiz - Da Boca Pra Foraレコーディングにて(2007)
frame Making of Marinho Antunes
スーソ・サイスは正統的な音楽教育を受けた音楽家で、現代音楽の勉強と演奏もしていた。スーソは例えばジョン・ケージのような偉大な現代音楽家の傍らにいたこともあるんだ。スーソは一所に安住することがない、陳腐な表現からは「敵」といえるような音楽家だよ。スペインでは多くの人が彼が何を考えてるのか理解できないんだ!スーソの、プロデューサーとしての激しさが僕を魅了するんだよ。

激しさ…例えば、どのようなことですか。

以前の僕にとって難しかったのは、少ない要素で、不完全な所の修正をしないで、つまり「お化粧」なしで音楽制作に向かうことだった。多重録音はいろいろな面で欠点を隠してくれるからね。スーソと仕事を始めた当初は自然に録音された欠点だらけの僕のヴォーカルとギターを聴くのがイヤでね。でも少しずつ、「less is more」という考え方の価値や、楽器で埋め尽くそうとする僕の傾向を制限するというコンセプトがわかってきたんだ。スーソは「完璧は美しくない」とよく言っていた。とても良い、理論的で、明白な、音楽以外のことにも応用できる考えだと思うよ。最近では、自然な不完全さは歓迎すべきことで、録音時のアーティストの感情を伝えるものだと思うに至っている。スーソは例えばいいテイクを取ろうとしたり、アレンジをより美しくしようと楽器を加えるときラジカルなんだ。時には大論争の後、僕自身で行った演奏を消したこともあるけど、スーソの基準にはめたわけではないよ。僕にとってスーソとの修練の経験はすべてとても重要だったんだ。

彼は僕の人生の長い間に渡って、いつも選択すべき道を示してくれるとっても知的な音楽家だよ。スーソの存在が、商業主義に依存しない作品を制作するLeo & Suso Saiz(Madrid、2008)
photo by Meky Nuñez
ための基準になることは確かなことだよ。スーソは商業主義が優先される風潮がある中、深みある心のこもった音楽表現を取り戻そうとしてるんだ。彼からはまた、自分の作品から距離を置くこと、言い換えると、僕の作品は僕のものではないことを学んだんだ。美しい考えだと思わない?スーソの、ほとんど東洋的もしくは仏教的といえるようなこんな面が何度も僕を引きつけるんだ。彼の博識は音楽の枠を純粋に超えている。彼は僕の師匠であると同時に、とっても仲のいい友人だよ!

Part.3(前)へ                              Part5.(次)へ

■新しいヴィデオ・クリップ、「SAÚDE」をリンクしました!

新譜「Da Boca Pra Fora」(2009)からの
ヴィデオ・クリップ第2弾、「SAÚDE」
をリンクしました。
荒々しく真剣なレオの表情のワケは....?
Leo's Note、歌詞と共にぜひご覧下さい!

カテゴリ>VIDEO CLIP>SAÚDE

■SAÚDE - Official Videoclip

最新アルバム「Da Boca Pra Fora」(2009)からの
ヴィデオ・クリップ第2弾、「SAÚDE」。
荒々しく真剣なレオの表情のワケは....?
Leo's Note、歌詞と共にぜひご覧下さい!


SAÚDE   詞・曲 / Leo Minax
Directed by Marinho Antunes



八分音符Leo’s Note
「時間が経つこと、歳をとること、病気になること、
そして死に向かうこと。誰にでも等しい現実について
ちょっとキツめのユーモアで笑い飛ばしたかったんだ。」


騒ぎは何も聞こえなくする
飢えは何でも引き起こす
風が皮膚を切る

その皮膚から血が出る
血が固まる
暴食は飢えているからじゃない
寒さが殺人者の眠りの邪魔をする
もし健康であれば血は身体に従う

健康はタバコのパッケージ・アートを台無しにする

時間はいつも同じ
時計の針に従っては進まない
もし耐え忍ぶ時間を繰り返すなら
時間はゆっくりと過ぎる
時間はブロンズ像の古びた緑青になる

僕は何でも食べる
時間は健康だけを食べてしまう

時間は食べてしまう
時間はいつも腹を空かせてる

鐘が遠くに響く
風が押し黙らせる
健康であれば怖いものはない

寒さが広場の排水溝の上で蒸気に煙る
健康は鉄みたいなもの
時には錆びる
時には寒さを遠ざけてくれる
もし寒さがとどまらないなら
度々繰り返さないなら

僕は何でも食べる
時間は健康だけを食べてしまう

時間は食べてしまう
時間はいつも腹を空かせてる

barulho deixa surdo
a fome deixa tudo
o vento corta a pele

do corte sai o sangue
o sangue coagula
a gula não é fome
o frio endurece
o sono do assassino
o sangue obedece
se o corpo tem saúde

saúde prejudica
a arte do projeto
do maço de cigarros

o tempo é sempre o mesmo
e não cai dos ponteiros
se roda paciente
reitera os seus minutos
o tempo passa lento
no bronze da estátua
o tempo fica verde

eu como de tudo
o tempo só come saúde

o tempo come
sempre que tem fome

o sino toca longe
o vento deixa mudo
saúde não tem medo

o frio faz fumaça
nos bueiros dessa praça
saúde é como ferro
às vezes enferruja
às vezes corta o frio
se o frio não demora
e não é amiúde

eu como de tudo
o tempo só come saúde

o tempo come
sempre que tem fome

■インタヴューPart.3をアップしました!

 INTERVIEW to LEO MINAX

 インタヴュー第3回目は、「マドリード」。
 レオがブラジルを離れ、スペインに移った頃の話です。

■Part.3-マドリード


INTERVIEW - Part.3

マドリード


スペインに住むという決心にどのように辿りついたんですか。

スペインに住もうと決心したわけではなくて、いつ戻るかわからないけどある期間ブラジルから出ようと決めたんだ。世界を旅し、違う場所や文化を知りたいといつも夢見ていたから、純粋に不安と好奇心とでブラジルを離れたんだ。また今になって分かるんだけど、僕は自分自身を見つけたかったんだと思う。僕は1986年にまずマドリードに来て、そのすぐ後に約1年パリに住んで、当時そこで同郷(ブラジル)人がやっていたように、音楽で生きて行こうと試してみた。僕には音楽性があると信じていたから、ミュージシャンとしての自分の可能性を決して疑ったことはなかったよ。だけど、音楽でお金を稼いで生きていくには経験が必要だと、当時の僕にはまだその準備ができていないと悟ったんだ。

Grupo Carnaval Brasil(1989年頃)
(中)Leo 「揃いの服がイイでしょう?(笑)」
冒険はお終いにしてブラジルに帰ろうと決めて、その途中にマドリードに再びやって来たんだけど、すぐにブラジル音楽で働くチャンスを得られたんだ。サンバのグループに打楽器で参加しないかと誘われたこのきっかけが僕の知らなかったブラジル音楽との普遍的な接点、音楽で生きて行く方法を僕に示してくれた。もちろん、サンバはいつも僕のブラジル的日常の一部で、避けようとしたって無理なものではあったんだけど、僕が持っていた知識は表面的なもので、この時まで見失っていたんだとわかったんだ。僕は音楽家になって、音楽で生きて行きたかった。この時から僕のブラジル音楽との関係が変わったんだ。後になってさらにプロフェッショナルなサンバ・グループで演奏して、彼らと一緒にギターを演奏し始めた時は嬉しかったよ。ブラジルでドラマーになろうとした時のことがサンバの打楽器を演奏するのに役立った。こんなふうに少しずつ事がうまく行くようになったんだ。

その後の仕事は順調でしたか。

Hotel Barajasにて(1988年頃)
いろいろな演奏の仕事をしていたよ。ブラジル音楽を演奏するというと、どこの国や街でも同じことなんだろうけど、一般的に期待されるのは踊るための音楽なんだ。リオ・デ・ジャネイロ出身のサンビスタ達とのグループではスペインをあちこち旅したね。ライヴ・ハウスで演奏していた時は、お客さんを踊らせようと思って用意した曲でみんな座り出しちゃってね、悲しかったよ(笑)それでレパートリーを変えてSKANKを演奏してみたらすごくウケて踊ってくれて嬉しかったなぁ。その他、ジャズ・クラブやホテルのラウンジでとか、あの頃いろいろな音楽を演奏して沢山の経験を積んだことは、今の自分にすごく役立っているよ。

スペインあるいはヨーロッパに住むことがあなたにどんな影響を与えましたか。

音楽的なというよりも、それ以外の部分で僕の思考に影響を与えたと思う。というのも、音楽性というのは音楽家に備わったものでそう変わるものではないと考えているんだ。イベリア半島に住んでいつも感じていたのは、世界中で起こっていることのすぐ隣に僕はいるということ。ブラジルにいたらヨーロッパで得られるような音楽情報は得られなかった、といつも思っていた。僕はヨーロッパで世界全体の中にいたと言える。それは素晴らしいことだったよ!後にインターネットによってこの状況は少し変わったけどね。僕の音楽をやるためにスペインに住むことの重要性は、フラメンコなど代表的なスペインの音楽から受けた影響を考えるよりも、アフリカやアメリカ、またオリエンタルなど、他の音楽の表現を間近に知ることができたことの方にある。これはブラジルにいたらできないことだよ!

Part.2(前)へ                         Part4.(次)へ

■インタヴューPart.2をアップしました!

 INTERVIEW to LEO MINAX

 インタヴュー第2回目は、「僕を魅了した音楽家たち」。
 レオの音楽の背景にあるミュージシャン.....
 気になりますね!

■Part.2-僕を魅了した音楽家たち


INTERVIEW - Part.2

僕を魅了した音楽家たち


あなたの音楽は、ロック、ポップス、ジャズ、ボサ・ノヴァ、サンバ、MPB、ミナスの音楽など、いろいろなジャンルが豊かに混ざり合っています。どんな音楽家が好きですか。彼らからどんな影響を受けましたか。

Beto Guedes/
Sol de Primavera(1980)
「すごく好きだったのはベト・ゲヂス」
少年時代、ミナス・ジェライスのたくさんの音楽を聴いたんだ。疑いなく言えるのは、クルビ・ダ・エスキーナの数々の歌が何より僕を魅了したこと。僕がすごく好きで最もよく聴いていたのは、シンプルで独特な音楽のベト・ゲヂス。彼の歌の作り方はとっても美しかったし、また、普通でない音色を用いて実験する自由さと大胆さがあった。彼はいろいろな楽器で演奏したり実験したりするのが好きだったからね。彼の初期のアルバムはどこか混沌としたところがあるけど、繊細さと独創性がとてもあった。彼はまた、ジェネシスとかイエスとか、僕もとても好きだったイギリスのプログレッシヴ・ロック・グループの影響をとても受けていたんだ。僕は特にピ-ター・ガブリエルとフィル・コリンズのファンだったんだ。

その後少しして、トニーニョ・オルタ、ロー・ボルジェス、タヴィーニョ・モウラ…さらにその後、ミルトン・ナシメントの精緻な音楽の深遠さに初めて出会った。この頃はまだカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、シコ・ブアルキといったMPBの偉大なアーティストにはそれほど関心がない時期だった。ミナスの外側で作られたMPBに興味を持つ以前に、クルビ・ダ・エスキーナの音楽をよく聴いていたんだ。

Ralph Towner/
Solstice(1975)
「穴が開くほど聴いた盤だよ」
さっき話したように、少年時代にボサ・ノヴァの深い部分に最初に接したのは友人のジェラウド・マゲーラを通してだったにしても、僕が代表的なブラジル音楽に深く触れ、本当に知ったといえるのは、プロの音楽家として人生を歩み始めた外国でなんだ。ジョビンやジョアン・ジルベルトなどボサ・ノヴァの偉大さに本当の意味で出会い、その後に、カエターノやシコなどMPBの素晴らしさと歌が持つ力強さに出会ったんだ。

アマチュア時代、インストゥルメンタル音楽もとても好きだった。エグベルト・ジスモンチ、ラルフ・タウナー、ヤン・ガルバレク…少年時代、いつか彼らのように演奏できたらと夢見たものだよ。有名なドイツの魅惑的なレーベル、ECMを探求し始めて、たくさん買っては聴いていたんだ。まさに徹底的な体験といえるくらいの関心を持って聴いていたね。インストゥルメンタルをよく聴いていたこの時期は僕の人生でとっても大切なものだよ。トニーニョ・オルタは他のToninho Horta/
Toninho Horta(1980)
「この盤と”Diamond Land”は
特に愛聴してた」
クルビ・ダ・エスキーナのメンバーとは違う音楽家で、というのも、インストゥルメンタル音楽について僕が持っていた私的な世界観の中で彼のことを見ていたからなんだ。僕にとってはトニーニョ・オルタはECMカタログの一部分に成りえるくらいの存在なんだ。

小さい頃には、曲作り、メロディーとハーモニー、その歌声で、イヴァン・リンスの音楽にも魅了されたこともとにかく覚えているよ。その後の少年時代、影響を受けた2人のブラジル人アーティストとして、ジャヴァンとジョアン・ボスコがいる。この2人は歌におけるリズムの豊かさを僕に示してくれた。リズムは、尽きることのない何物かであること、歌の中でリズムと戯れること、そして楽しいものだということを学ばせてくれたとても重要なアーティストだ。

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